安藤商店の手がけるお漬け物ブランド「喜多福」のブランディングデザインのお仕事をご紹介します。
今年の春先にお問い合わせをいただいてから足掛け半年、喜多福の社長さんはじめ皆様に沢山の意見を伺いながら、そして伺うごとに美味しいお漬け物をいただきながら、オリジナルデザインの包装紙、パンフレットなどが出来上がりました!
今回のお仕事、嬉しい事にこれまでのplay on wordsのお仕事をみて、デザインの面で関わってほしいとのご依頼をいただきました。
これまでグラフィックデザインで作ってきたフライヤー、DM、オリジナルグッズなどでは、あまり「ブランド全体」という規模ではありませんでした。そんななかご依頼いただき、相談を重ねながら進めていく工程は、とても楽しいものでした。
ロゴマークやイメージカラーのご提案などは、ブランド全体のイメージに関わることでもあり、緊張しながらでもありました。それでも、これまでになかった雰囲気にしたいというお仕事に関われた事、とても光栄に感じています!
しかしそもそも私自身、食品について、そしてお漬け物についての知識も十分だったとはいえません。
まずはお漬け物について勉強をして、世の中のお漬け物の動向についてリサーチをして行く中で、
そうかあ、もっとお漬け物食べよう。
いっそ、サラダと考えてもよいのでは?
と、自分の「漬け物観」が変わっていくのを実感したのでした。
塩分が高いという思い込み、ありませんか?
長期間かけて塩分を抜いていく製法を知り、以前より減塩に取り組んでいる業界全体の取り組みなどを知る事で、サラダ&ドレッシングよりもあっさり食べられるということを実感しています。
発酵の力で旨味も増して、生の状態よりも更に風味豊かに食べられるのです。
沢庵や梅干しのように年中作られている定番品もありますが、お野菜の旬を感じるラインナップも様々。
菜の花、茄子、大根のおいしい時期のべったら漬け、、、と季節毎に各種揃っています。
生野菜だと何週間も置いておくのはさすがに出来ませんが、お漬け物なら塩蔵や発酵の力で長期の保存も可能です(ただし、未開封の状態で、ではありますが^^;)。一人暮らしの方や、毎日調理に時間を割けない!という方の強い味方、ともいえそうです。
上の写真にある丸い紋、何の柄か分かりますか?
おめでたいブランド名にちなんだ「おかめ」が3つ並んでいます。
昔の喜多福の看板には、このおかめのシルエットの中に「ふく」と書かれていた紋がついていたのですが、
今回は、現代風にアレンジ。
筆文字風の老舗らしい文字ですが、あえて色味はくろではなくブルーグレー。
このくすんだ青みのあるグレーという色も、実は喜多福本社の地名にちなんだ「湊鼠(みなとねずみ)」という色。別名「深川鼠」とも呼ばれる色味は、江戸時代からの由緒ある名前なのだとか。
昔は「湊町」とよばれた、中央区湊に本社を構える喜多福らしいカラーをチョイスしました。
▼天然の色ってこんなにキレイなんだ!と、改めて驚きながら、お漬け物の撮影会を開催、そしてお買い物の際にお渡しするリーフレットや栞も完成しました。
包装紙もおめでたい雰囲気の明るい黄色ベースに、白い市松模様が並びます。
が、ただの白い四角形ではなく、漬け物といえば「樽」ということで、少りばかり上広がりになっている樽を市松に並べた、「樽市松」というデザインにしました。
良ーくみると、所々にタガがハマっているの、分かりますか?
100年前、喜多福の前身の安藤商店が名古屋にあった頃から変わらない、代々受け継がれてきたのが、
喜多福を代表する「みりん粕奈良漬け」。
▼大正時代、名古屋にあった安藤商店の店舗。
写真にあるように、漬け物業の傍ら、その漬け物を缶詰にして流通させたり、諸国缶詰を商ったり、と多角的な展開をしていた会社でした。
そんなみりん奈良漬けは。約2年もの歳月をかけて、じっくりじっくり塩抜きを行うというとても手間のかかったお漬け物。
通常の奈良漬けは酒粕を使用しますが、これは、最後の仕上げの際に「みりん粕」を使うことでまろやかさを増しています。
撮影の為に見せていただいた大きな樽!
この中から、次々と魔法のように漬かった瓜が現れました。黒々と光るお漬け物の素肌は、他には無い独特の色合いと風味を讃えています。
大きさをみながら順々に樽に仕込みをして、最後の仕上がりを確認するまでの各工程は、社長はじめ職人さん皆さんの目でみて確認をしていくのだとか。ちなみにこの日の瓜は、あともう一歩のところ。周りについている水分が漬け床に吸収されていった頃が食べ時です。
工場で作っているとはいえ、毎年、季節毎に野菜の状態も異なるもの。丁寧な対応が求められますね。
実はこのみりん奈良漬け、ワインのお供にチーズとクラッカーと、という組み合わせもGOODなのです。浅草店のご近所のワインバーのお客様からもお墨付きをいただいています!
ご興味ある方、喜多福のONLINE
SHOPからも通信販売承っています。
また、いずれもアクセス便利な銀座と浅草の松屋にSHOPもありますので、お近くにお立ち寄りの際は
是非お店も覗いてみてくださいね。
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喜多福本店(工場店)
東京都中央区湊1-14-18
tel.03-3551-3566
fax.03-3551-5755
銀座店 松屋銀座地下2階
浅草店 松屋浅草地下1階
▲こちらの「銀座の蜂蜜」を使った梅干しは、松屋銀座だけで販売している特別なもの。
都心でミツバチ飼育をしている銀座ミツバチプロジェクトが手がける、銀座ミツバチの蜂蜜を使った梅干し!
まろやかな甘みの梅干しは、酸っぱいのや辛いのが苦手!という方におすすめです。
贈り物にも好まれているとのことです。