いつも公私ともにお世話になっている西荻案内所のAさんは、松山のご出身。
今回は「松山案内所」として?ローカルな情報や「愛媛/松山ってこんなとこ」な雰囲気も含めて沢山ご案内頂きました。多謝!
伊丹十三記念館ではストイックな建物とアソビゴコロあふれる展示方法がその本人”らしさ”をたっぷり味わい、海水浴場(今は冬の海・・・)、街なかから眺めるお城、おいしいおでんに各種柑橘類。
旨さ溢れる。
そして、西荻の「マカロン・エ・ショコラ」さんでメインパティシエを勤めていた三浦さんが、
一家で松山に移住され、これから新しい洋菓子屋さんをオープンされるとのこと。
初対面ながらうちと同い年の娘さんも含め、夕食をご一緒に。さすがの子供たち!
あっという間に打ち解けて、お互い真似っこをしたり対抗意識を全開にパクパクとご飯を食べたり。
「和洋菓子 三浦菓子店」という名前で、マカロンや洋菓子に加えて和菓子も作られるのだそう!
お菓子屋さんクオリティの大変高い西荻に居ながらも、松山(北条)のこちらの新店も大変気になります。
「よーい、ドン!」のスタートラインに立つ方と出会うのは、いつもとっても清々しい気持になります。その方の放つ期待感といったものがキラキラと見えるのでしょうか?
温泉好きの我が主人たっての希望!
松山に来たら行かねばという観光地ということだった、道後温泉へも。
なるほど!この壮麗な建物が、愛でるだけでなく現役の湯治場であるということ。
お湯に浸かって、出て来て薄暗がりの中見上げる本館の建物も大変素敵でした。
箱根の富士屋ホテルや奈良ホテルにも通じる、寺社仏閣にはないような建物のディテールの造形の面白さ、丁寧さ。「白鷺の伝説」に因んだサギのお飾り、嗚呼素敵。
アンパンマンが現在のヒーローな娘にとって、このエリアの鉄道は夢の国!
あいにくアンパンマン列車には乗れなかったものの、そこら中にポスターや人形、ごみ箱、
車内アナウンス!など、予讃線のアンパンマン・エッセンスを存分に満喫したのでした。
あ、車内販売でGETできたアンパンマン駅弁も勿論◎
その予讃線で琴平へ向かい、これまた西荻でお店を構えていたつきまる雑貨店さん一家と合流。
金毘羅宮詣でをご一緒していただきました。
旅では古いものを愛でるのが大好きですが、そんな中にも、資生堂がスタイリッシュなパーラー「神椿」を構えていたりとか、本宮の一部が保存されつつモダンに改修してあったりというのを見つける事が出来るのが、これまた楽しみです。
古典や歴史へのリスペクトといったものを感じられる場所が何より好物なのですね、ワタシ。
実は現在、第二子がお腹に宿っています。
丁度この金毘羅宮参拝の日が戌の日!
折角なので、お時間いただき昇殿参拝も。
本殿の中は無垢な木のスッキリさが基調ながら、お飾りの壮麗さには、この神社の規模を感じさせるものがありました。金比羅さんには「船出」の安全を願う神様が奉られているそうで、
瀬戸内各地の造船会社や海運サービスの会社さんも新年の参拝にいらしてました。
我が家の船出も安全なモノとなりますように!
久しぶりに会ったつきまる家のつきちゃん&しーちゃん兄妹もすくすく大きくなっていて、
お洒落なしーちゃんがこの日していた”コートの前ボタンを開けながら着る”というファッションを、その後も娘は繰り返しまねっこ。
流行ってこうやって出来るのかしら、とふと思う一コマ。
うどんも堪能し、参道の賑やかな喧噪を抜けたあと、現存する(かつ現役で使われている!)日本最古の芝居小屋である金丸座にもご案内いただきました。1835年に建てられたということなので、180年以上の歴史を誇る江戸の風情。
当然ガラスもはまっていない窓も当時のママに遺されており、冬場は結構寒そうですが^^;、
現代の歌舞伎の舞台では出来なさそうな、外光を演出に取り入れたりといったことも出来るそう。
舞台下の(人力で動かす)回り舞台の仕組みや、裏にある控えの部屋なども見学。
敷き詰められた畳と竹が格子に組まれた天井、壁や天井に下げられた家紋の入った提灯。
このストイックな和の風情、サイコーだわ・・・
と、じんわり味わう暇もなく、駆け回ろうとする3人の子ども達を慌ただしく追いかけるのが現実でしたが。
その後は高松へ移動して船に乗って直島へ!
行きは遅い便で暗闇でしたが、滞在中穏やかに晴れ渡る海と島の風景を堪能出来たのが何よりの想い出に。
銭湯自体がアート、という「I♡湯」には大きな象の像が浴場の中にあり、この象に怯えながらお湯につかる娘。その銭湯から宿への帰り道、路地の向こうにまばゆい光の海がちらり。
ナニナニ?
公式なアート作品ではないと思われるけれど、直島のイチご家庭が、溢れるほどのイルミネーションを家の壁という壁、庭という庭、ガレージというガレージに張り巡らし、何十体もの(勿論光る)スノーマン、サンタ、あらゆるキャラクターを設置していたのでした。勿論アンパンマン(!)もあり、一堂テンションUP。
それにしても、この執念とある種のクオリティの高さは、もうアートでした。
(昨年の夏の尾道旅で出会ったアウトサイダーアートの数々を思いす一コマ)
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この夏の瀬戸内芸術祭にあわせて大型改修に入る美術館が多く、直島のいくつかの建物もクローズだったけれど、ベネッセアートサイトにあるベネッセハウスは広々とした館内に、触れ合える作品などもあり子連れでも◎。「お餅」とか勝手に呼んでいた巨大な白血球のような形をした作品には上に座ったり寝転がったりでき、すべすべとした石の感触を味わいつつ、その上空に四角く切り取られた空をぼんやり眺めたり。
直島から船で1時間ほどという近さにある豊島の豊島美術館。
建築家の西沢立衛さんによる、地面に溶け込むようなスベーっとした白いコンクリートの建物も、
娘的には、やはり「お餅」でした。
この大きなお餅へは、外から風景と共に眺めた後に自然の遊歩道を伝って内部へ。
不思議と広いなだらかな空間の天井にはポッカリと大きな穴があいていて、
外から入ってくる風や朝露が「作品」の一部になるという、「内と外の境界が消えていく」ようなとても不思議な体験に。
足元では、大小の水滴がクネクネと虫のように絶え間なく動き続け、無心にそれを眺める時間。
これは実に贅沢な空間、作品、時間・・・。
3人で手をつないでじっとみつめて過ごしました。
その後、友人でもある建築家の永山祐子さんによる豊島横尾館へも。
極彩色の作品のイメージがある横尾作品。普段は白い壁の美術館で整然と並んでいるのを
見るばかりだったけれど、ここでは古い日本家屋を斬新にリノベーションして、黒い壁、ガラスの床、赤いガラス越し、真っ暗な部屋、など様々な空間に作品が設置されていました。
美術館という空間も好きだけど、やはり作品を眺めるのはもう少し日常空間、
せめて床の間的な設えの中でこそ堪能できるなあと改めて感じる体験に。
どちらの美術館も、建築家×アーティストの両者が同じだけの熱量とアイデアをかけて仕上げた作品!「箱」として作品への影響に配慮する通常の美術館と全く異なる、両者のタッグの組み方がとても斬新でした。
今回はバスで移動したけれど、レンタサイクルで風を切りながら巡れたら、
さぞかし気持ち良かっただろうなあ!
最終日の夜、高松から少し足を伸ばして訪れた仏生山温泉の施設も、これまた大変スタイリッシュ!
満足したのは外観やインテリアだけでなく、温泉×読書というコンセプトのユニークさをはじめ、広々とした露天部分(いくつものお湯に分かれており、ぬるめのお湯や浅めのお風呂もあり)、木で出来た浴槽の縁の気持ち良さなど、とにかく快適にすごせる施設でした。
高松のローカルの方々も、週末などに気軽に出掛ける人気のエリア、仏生山。
また訪れたい場所がひとつ増えました。
産前産後はしばらく遠出も出来ないので、思い切って足を伸ばせて大満足でした。
各地でご案内くださった皆様にも、心から感謝申し上げます!